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岡 弘*; 丹野 敬嗣; 矢野 康英; 大塚 智史; 皆藤 威二; 橋本 直幸*
Journal of Nuclear Materials, 572, p.154032_1 - 154032_8, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:68.71(Materials Science, Multidisciplinary)窒素濃度(0.0034-0.029wt%)の異なる9Cr-ODS鋼について700Cのクリープ特性とクリプ前後の組織変化について調査を行った。クリープ強度は、窒素濃度の増加に伴い顕著な低下が確認された。高窒素濃度材において変態フェライト領域と残留フェライト領域の境界にそってYリッチな粗大粒子が確認された。と相では窒素の固溶度が異なることから、オーステナイト変態プロセスが生じる際に、窒素が相に拡散・濃化し、逆変態時に残留フェライト相に吐き出され、両境界付近で窒素の濃化生じる。その結果として、熱力学的不安定を解消するために分散粒子の粗大化が生じると考えられる。窒素濃度が高いほど多数のクリープボイドが観察されたことから、粗大化した分散粒子を起点にクリープボイドが発達したことにより、早期破断が生じたと考えられる。
渡辺 龍三*
PNC TJ9601 98-005, 85 Pages, 1998/03
高速増殖炉の超寿命燃料被覆管の実現に向けて、機能発現のための手法として傾斜機能化を、作製プロセスとしては特に形状付与、組成制御および組織制御の自由度を求めて、スラリーディップ法に注目した。まず、燃料被覆管の内表面の核生成物に対する耐食性、中性子に対する耐照射損傷性、材料自体の高温強度、あるいは外表面の液体ナトリウム冷却材に対する耐食性等を踏まえ材料選択があり、これに対しては、ステンレス鋼管の内筒側および外筒側にそれぞれチタンおよびモリブデンをコーティングすることを考えた。このような被覆複合化に必然的に付随する熱応力の発生による材料破壊および異相界面での接合不良を回避するために、内外表面層の傾斜機能化を試みることにした。また、円筒形状物の内外表面への傾斜層の構築を考慮して形状付与および組成分布付与の自由度の大きいスラリーディップ法を採用した。本研究では、スラリーを構成する溶媒、分散剤、結合材および原料粉末との関連において、スラリーの分散、沈降、粘度、流動特性、降伏値について詳細に検討した。特に膜厚の微細制御の可能性を求めて、低粘度スラリーと高粘度スラリーの両者について検討した。低粘度スラリーの場合は粒子の沈降抑制のための条件探索が課題であり、一方、高粘度スラリーの場合には精確な降伏値を求めるために流動特性を明らかにすることが重要である。低粘度スラリーについてはその安定成の目安として分散粉体の沈降速度、およびスラリー中における原料粉体の分散性の目安として体積高さを指標として、傾斜層形成条件を決定した。すなわち、低粘度スラリーにおいては、ディップコーティングを再現性良くまた行程作業上安定に行うためには、沈降速度がなるべく小さいこと、また、沈降堆積高さが小さいほど良いとされる分散性の確保が重要である。一方、高粘度スラリーの場合には、低粘度スラリーにおいてみられる沈降現象は抑制される。また、高粘度スラリーを用いる場合には、スラリーの流動特性より粘度および降伏値が求まり、ディップコーティングの膜厚の制御性も良好である。ディップコート材の乾燥、脱脂、焼結に関わる諸プロセス条件は現行の粉体加工技術に求めればよいわけであるが、収縮の不均一に起因する傾斜組成制御材特有の問題を解決する必要がある。本研究ではプロセス条件を最適化することにより健全な傾斜機能材料を得た。しかし、一般的に傾斜
渡辺 龍三*
PNC TJ9601 98-004, 79 Pages, 1997/03
高速増殖炉の燃料被覆管の長寿命化を目指して、ステンレス管の内面にTi、外面にMoを配置させた傾斜機能ステンレス鋼円管の作製プロセスの確立を本研究の目的としている。燃料被覆管の形状・寸法および傾斜層の制御厚等の要件から、形状付与の自由度が高く微細な組成制御が可能なスラリーディップ技術を採用し、そのプロセス条件を研究してきた。これまで、傾斜層の設計指針、スラリーの調製条件およびディップコート層の組成制御条件などを明らかにしている。本報告書では主として、スラリーディップ法におけるディップコート層厚制御条件を検討した結果について述べる。ディップコートにより形成される膜厚は主としてスラリー粘度に依存するが、粉体分散性(形成組織の均一性を支配)およびスラリーの安定性からみて適正粘度が存在する。Ti粉、Mo粉、ステンレス鋼粉およびそれらの混合粉が安定分散するスラリー条件のもとに、スラリーの粘度および降伏値に依存するディップコート層厚を制御した。分散剤としてはTi粉、ステンレス鋼粉およびそれらの混合粉に対してはポリアクリル酸ナトリウム、Mo粉およびMo/ステンレス鋼混合粉に対してはヘキサメタリン酸ナトリウムが適しており、また、いずれの場合も結合材のポリビニアルコール(PVA)がスラリー粘度調整に有効である。低粘度(10mPas)スラリーについては、スラリーの安定性と形成膜の健全性の観点から、スラリー中の粉末濃度とPVA添加量のなす平面において適正な条件が規定される。適正スラリー条件下での最終膜厚は最大200mである。一方、スラリー粘度が比較的大きい(数100mPas)場合は、スラリーの安定性は良好であり、降伏値の制御も容易である。この場合には、分散性の良好な条件のもとに数10数100mの単位で傾斜層を形成することができる。なお、最終的な膜厚は、乾燥および焼結およびHIP処理などで決まるが、おおむね物質収支および緻密化率により算出される。
鈴木 陽大*; 大沼 正人*; 丹野 敬嗣; 岡 弘
no journal, ,
熱処理やN濃度の異なる酸化物分散強化型(ODS)鋼についてX線小角散乱(SAXS)法を用いて測定し、酸化物粒子の平均粒径と数密度の定量化を行なった。その結果、9Cr-ODS鋼については、標準の組成( 0.01wt%N)に対してN濃度が増加すると酸化物粒子が粗大化し、これによって硬さが低下していることが分かった。また、12Cr-ODS鋼については、熱処理温度12001300Cの間で生じる硬さの変化が、酸化物分散状態の変化と対応していることが分かった。さらに、中性子小角散乱(SANS)法を組み合わせることで酸化物粒子の組成を推定した。
丹野 敬嗣; 矢野 康英; 岡 弘*
no journal, ,
原子力機構が開発した9Cr-ODS鋼に3次元アトムプローブを適用し、ナノサイズの酸化物分散粒子の分散状態の評価を試みた。結果、微細な針状試験片内の分散状態の取得に成功した。3次元アトムプローブマッピングは、分散粒子がY-Ti-O複合酸化物であることを示すとともに、粒子内に化学組成の分布があることを示唆している。
外山 健*; 丹野 敬嗣; 矢野 康英; 大塚 智史; 光原 昌寿*; 中島 英治*; 大沼 正人*
no journal, ,
酸化物分散強化型(ODS)鋼では、マトリックス中に高密度に分散する酸化物粒子が高温強度を担う。ODS鋼の組織と機械特性とを結びつけODS鋼の開発を進めるためには、酸化物粒子の組成・寸法・数密度を精度よく理解することが不可欠である。本研究では、三次元アトムプローブ(3D-AP)を用いて、9 Cr-ODS鋼被覆管中の酸化物粒子を分析した。なお、本研究は文部科学省原子力システム研究開発事業JPMXD0219214482の助成を受けたものである。
山崎 仁*; 大沼 正人*; 大塚 智史; 丹野 敬嗣; 外山 健*; 光原 昌寿*; 中島 英治*
no journal, ,
酸化物分散強化型(ODS)鋼のナノ組織である酸化物分散粒子について、クリープ試験を経験した場合の安定性をX線小角散乱(SAXS)を用いて評価した。800C以下のクリープ試験では、酸化物分散粒子のサイズは殆ど変化していなかった。800C以上ではサイズが大きくなる傾向を示すものの、1000Cでのクリープ試験後もナノサイズのYTiO酸化物粒子の存在が確認でき、ODS鋼中の分散粒子が高温クリープ試験下でも安定性に優れていることが明らかとなった。
宮澤 健; 丹野 敬嗣; 今川 裕也; 橋立 竜太; 矢野 康英; 大塚 智史; 皆藤 威二; 光原 昌寿*; 中島 英治*; 大沼 正人*; et al.
no journal, ,
高速炉用9Cr-ODS鋼燃料被覆管の実用化に向けた強度基準整備を進めている。温度と時間を統一的に表す指標であるLarson-Millerパラメータ(LMP)と累積損傷則(Life fraction法)を用いて、変形・破壊モードが異なる各種強度データを統一評価する手法が提案されている(以下、LMP-Life fraction法と呼ぶ)。この評価手法を用いて、炉内で想定される応力・温度変動条件での9Cr-ODS鋼の破断強度を単一式で表せる可能性がある。本研究では、9Cr-ODS鋼のクリープ試験データ、引張試験データ及び急速加熱バースト試験データを用いて、事故時を含む広い温度範囲でLMP-Life fraction法の9Cr-ODS鋼への適用性を評価した。